2003-07
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058 2003年7月21日(月)  夏休み、久しぶりの映画は「踊る大捜査線」          

 久しぶりに映画館で日本映画を見ました。19日(土)に公開されたばかりの、「躍る大捜査線 レインボーブリッジを封鎖せよ」です。
 
 
織田裕二君扮する湾岸署(お台場に設定されている)の青島刑事が、犯人と本庁のエリート捜査本部長を相手に、見事所轄署の刑事魂を発揮して、事件を解決するというストーリーで、前回の警視庁副総監を誘拐するシリーズ1と同じく、現場の刑事の活躍がすがすがしく描かれています。
 なかなか、なかなか気持ちいい映画です。

レインボーブリッジとお台場海浜公園


 映画ですから、敵役もはっきりしています。
 ひとりは、リストラを逆恨みする犯人。こちらは、統制されていない組織的ではない組織というメリットをいかして、警察を翻弄します。
 もうひとつは、現場を全く理解しない本庁のエリートたち。
 もちろん、柳葉敏郎演じる室井管理監は、前作どおりいい役です。
 それとは対照的な憎まれ役を演じていたのが、真矢みきさん演じる沖田捜査本部長。私個人的にはいい役に映りましたが、映画中では徹底して所轄の湾岸署職員の敵という役割です。
 
 所轄の捜査員の心情を理解しない本部長のおかげで、捜査は失敗の連続。ついには・・・・。というストーリーで、最後はもちろん犯人逮捕の大団円です。

 映画製作者が観客に印象に残させたかったセリフが、私の心にも残りました。
 美人の沖田本部長が冷酷に言い放つセリフです。
「青島君、勘違いしちゃいけない。事件は現場ではなく、会議室でおこるものなのよ。
 「躍る大捜査線」の第1作目をご存じない方に、念のために復習します。
 第1作では、会議室の中にいて現場の状況が分からないため、事件を解決に導けない幹部に対して、青島刑事が、「事件は現場で起こる」の名セリフを吐きます。
 今度は、その逆手をとって、本部長が「会議室で」と言ったのです。


 この発言に共感するか、反発するか、何を思うか思わないか、それぞれの置かれている立場によって、思いは異なるでしょう。

 事件解決へ向けて組織のやる気をどうやって高めていくか、まるで、管理職の教訓にでもすべき面をも持った映画でした。中年のおじさんおばさんには、「
砂の器」を思い出させる心憎いしかけもちりばめて・・・・・、Hシーンなし、子ども連れで楽しめます。

 ちなみに、最近、いくつかの日本映画をビデオで楽しみました。「ホワイトアウト」、「たそがれ清兵衛」、「阿弥陀堂物語」・・・、製作費はハリウッドにはかなわないけど、みんないい作品でした。

 7月20日は、本県の教員採用試験の一次

採用試験会場の受付風景。女性も男性も黒っぽいスーツに身を固めて。

試験の日でした。
 新聞によると本年度の採用予定者数は、小・中・高校・特殊教育諸学校、あわせて計315人、この日の受験者は2335人で、平均競争率は7.4倍でした。

 いつもだと、梅雨が明けていて、かんかん照りの夏の日の下で、スーツを着て汗だくになって受験するようですが、今年は、雨こそ無かったもののまだ気温はそれほど高くなく、汗だくというほどひどくはなかったのではないでしょうか。ご苦労様です。

 97歳になられて依然かくしゃくたる大村はまさんが、教え子の苅谷夏子さん(「大村はま国語教室の会事務局長、あの東大教授で教育社会学専攻の苅谷剛彦氏のおくさま)と対談をされた本を読んでいます。

苅谷「どんな職業でも、仕事のしはじめはの頃には、上の人にこてんぱんに叱られてギャフンということってあるじゃないですか。私も、おまえは根性が曲がっているから仕事がうまくできないんだ、と言われたことがあって、次の日仕事に行きたくないと思ったことがあります。そんなこといわれる筋合いはないっ、なんて腹が立ってね。もう打ちのめされるぐらいにきびしくされて、それでも何とか奮起してやり直すと、一歩成長したり一つコツを覚えるということがある。だから上の人は、自信を持って下の人に駄目出しをするでしょう。こんなので給料もらえると思うな、なんて言われながら歯をくいしばって仕事しているのだけれど、先生にはそういう場があまりないんじゃないでしょうか。まわりは子どもばかりですし。
大村「あんまりどころじゃなくて、ないんでしょうね。本当は校長の仕事でしょうね。叱ってくれる、叱らないにしてもこっちに教育の精神を叩き込むとか。」
 ※大村はま、苅谷夏子、苅谷剛彦著『教えることの復権』(ちくま新書 2003年3月)P94〜95
 
 そんなことはないぞ、と自信を持って、言えるだろうか?


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