2003年が始まりました。年の初めということで、それらしいものを書きます。
未来航路も今年で3年目です。当初は毎日数人の方がアクセスする程度でしたが、おかげさまで今では、週に150前後のアクセス件数が記録されています。12月の「中里村雪国はつらいよ条例」事件では、大騒ぎが巻き起こりましたが、結果的に、たくさんの方に見ていただけるきっかけとなりました。
さて、これからです。
「教育」という私の本業をテーマとしたサイトであることは、今後も変わりません。
自分では、「よく分かる楽しい授業の素材」の紹介と、教員としての在り方・考え方について意見を述べることがメインと思っています。
「それにしては、いろいろな所へ話が行く」と思っていらっしゃる方も多いでしょうが、そこはそこ、地歴公民科(社会科)の教師の特性故と弁解を述べます。
私の教科は、世の中で起こっているどんなことを取り上げても、脱線ではなく、それが授業としてちゃんと成り立ってしまいます。東京へ出張して夜の新宿・渋谷探検をしたとしても、それは「現代日本のフーゾク」の研究の取材ですのじゃ。(^_^)
この辺が、数学の先生とは違う所です。
これからも、適当に深く、そして広く、予想外の展開も含めて、いろいろ書いていきたいと思っております。
とりあえず、すぐに書いていきたいもので、大きなテーマのものは、
バブル経済(これは今掲載中)
認知心理学に基づく授業
9月11日WTC事件とその後
といった所です。
クイズ等に関しては、現場にいた時の実践を順次紹介しているのですが、どうしても、今自分が興味を持っていて、新しく本を読んだりしたものが中心となっていきます。
新年早々で何ですが、最近は、例の「イージス艦きりしま」の出港以来、軍隊に関する本ばかりが目にとまり、先々週から今週にかけて、平義克己著『我 敵艦ニ突入ス』(扶桑社)、工藤雪枝『特攻へのレクイエム』(中央公論新社)、半藤一利著『遠い島ガダルカナル』(PHP研究所)、福井晴敏著『終戦のローレライ』(講談社)といった、極めて特殊な分野の本ばかり読んでしまいました。
したがって、今週末からしばらくは、ちょっと暗い重いクイズ(話題)が続くことになります。
但し、これは、バブルやWTC事件と無関係ではないと思っています。
「これから自分がどう生きようか、生徒達にどういう航路を指し示そうか」と悩んだ時、やはり、自分が生まれ育った国日本の、本質的な部分に目がいってしまうのは、仕方がないことなのかもしれません。
元日の朝日新聞は、「年の初めに考える 『千と千尋』の精神で」を社説として掲載しました。朝日新聞は、私が職場で担当している学力問題においては、最近その方向性が異常に批判的で、個人的にはあまり読みたくない新聞になっていましたが、この社説は、なかなか納得のいくものでした。
長くなりますが、一部を引用します。
※『朝日新聞』(2003年1月1日2面社説)
傾聴すべき意見と思います。
宗教のことをいうと、「国粋主義」・「右翼」とかと誤解される方もあるかもしれませんので、念のために補足します。これは、そういう視点での論説ではありません。赤字で書いた所は、はっきり書けば、「天皇制イデオロギー」です。それは否定した意見です。
この論説の基調となる考え方については、私はすでに、「正月の意味」とか、クイズ「靖国神社について」、「昭和時代前半の日本は何だったのか」などで、断片的に同じ考えを示してきました。
青い部分の考え方は、国家と国家という関係においてだけではなく、ほかの関係においても「転移」できるものです。
心理学者のかの有名な河合隼雄氏は、その著『日本人の心の行方』(岩波書店1998年 P220)で、個人の生き方として同じ発想を提唱しています。
これは難しい提案です。河合先生自身、ネットワーク・アイデンティティは、「私自身にとっては生きる実感と結びついたものである。しかし、その理論的な検討という点においては未だ不十分なものであることを認めざるを得ない。」といっておられます。
いろいろ考えていく方向の一つであることは間違いないと思っています。 |