西濃鉄道石灰石専用列車と
大垣赤坂金生山20
 通称「矢橋ホキ」って知っていますか?貨物列車の1編成から産業と故郷を考えます。
| 未来航路Topへ | | メニューへ | | 前へ | | 次へ | 2023年改訂済み 

 付録4 2023年3月ダイヤ改正 とんでもない変化を見つけました 

 2023年3月のダイヤ改正を分析しました。2022年とは違いは僅かです。
 しかし,私個人としては,前回2011年度版を作成して以来この仕事から離れていましたので,細かい時間のチェックをすると同時に,大きな視点から何か変化はないかと見つめ直してみました。
 すると,10年前には見られなかった面白い現象が生じていることに気がつきました。
 ①番列車は,朝早く稲沢を出発し,10時20分には稲沢に帰ってきます。そして10時25分には稲沢を出ます。一方②番列車は,やや遅れて10時34分に稲沢に到着します。
 ということは,(34-25)÷2=4.5分の地点で
①列車と②列車はすれ違うことになります。そんな場面の写真が撮れたら面白いこと請け合いです。
 実はこの①と②のすれ違いは10年前の時刻表にも現れており,その道の通の方はご存じで,すでにダイナミックな写真を撮影済みの方もおられるかもしれません。何故私は撮影していないか?
 推定すれ違い地点である「清洲駅周辺」は,自宅から近い所ではなく撮影場所にも不案内であったので,後回しにせざるを得ませんでした。
 
②番列車と③番列は,②番列車が稲沢駅上り待避線に停車中に,下り14時42分に③列車が下り本線を通過するという関係でしたから,①と②よりは実現可能性h高かったかもしれません。
 このすれ違いという視点を2023年度のダイヤにあてはめるとどうなるでしょう?                            




 2023(令和5年)年3月の貨物ダイヤ改正=矢橋ホキ,豪快なすれ違い

 2023年3月のダイヤ改正でびっくりするダイヤが組まれたことを見つけました。上表の A の部分です。わかりますか?
 15時29分岐阜西ターミナル(貨物駅)を上りの③列車が通過します。
 そのあと15時34分に下り③番列車が岐阜西ターミナルを通過します。
 これがびっくりでなくて何でしょう。
 (34-29)÷2=2.5 の位置といえば,岐阜西ターミナルの東に隣接する西岐阜駅のホームの最東端に立てば,ほんの数キロ先がすれ違いポイントと言うことになります。


 右図をご覧ください。岐阜駅周辺のJR路線図です。岐阜市民の大雑把な地理感覚的は,「名古屋から北上する東海道線は岐阜駅手前で90度カーブを切り,岐阜駅を過ぎて西へ向かう」です。
 しかし正確にはおよそ70度の角度のカーブを曲がって岐阜駅に入り,岐阜駅を出て500m程先から始まる約30度のカーブ(仮に開始地点の名前を取って「
香蘭のカーブ」と呼びます)

)私の推定ではすれ違いポイントは,この香蘭のカーブの開始地点付近と考えました。
 そこで次の写真を撮ることを考えました。
 

写真20-01 西岐阜駅2番ホームを走り抜けてすれ違いポイントへ向かう③蕃積列車 (撮影日時 23/10/06)  
 ホームが狭い西岐阜駅のこの位置でカメラを構えると,EF210-345矢橋ホキの迫力に圧倒されそうです。 

写真20-02 香蘭のカーブのかなり西側で下り列車とすれ違い ②積 ③空(撮影日 23/10/06)
上り列車が去り、あわててカメラのレンズを交換して前を見ると、もう下り列車が近づいて来ていて、すれ違いが始まっていました。

写真20-03 EF510-6 に牽引された③番列車空,下り線ホームを通過。(撮影日 23/10/06)
 代わってEF510が下り坂をゆっくりと下りてきました。すれ違い成立。 

 香蘭付近ですれ違うことは分かりました。もっと決定的なすれ違い写真は撮れないものでしょうか。
そこで思いついたのが,駅横のビル,
岐阜シティ・タワー43です。43階に無料展望室があって,次の写真ぐらいは朝飯前です。この写真の矢橋ホキは,どこを走っているのでしょうか。
写真20-04 岐阜駅の西、香蘭のカーブを行く下り矢橋ホキ。③空 (撮影日 08/08/10 岐阜シティ・タワー43) 
  上の写真は2008ねんのものですから,上りの②ホキとすれ違うことはありません。

  下の写真は今年,2023年度のものです。下り③空矢橋ホキは,予想と違ってすでに香蘭のカーブを曲がって,西岐阜駅への直線に入っています。であれば,その先には上り②ホキ積列車が見えるはずです。曇っていて恐縮ですが,どれか分かりますか?
写真20-05 下り③空ホキ,香蘭のカーブを通過     (撮影日 23/06/07 ) 

下り③空ホキが香蘭のカーブを回りきりました。本当ならすぐ近くに上り②積列車が近く来ていなければなりません。どこにいますか?
 いました,いました。まだ西岐阜駅を出たばかりです。頑張って。

     

写真20-06 下り③空矢橋ホキと,上り②積列車とのすれ違い。  (撮影日 23/10/06)
 上り②積が少し遅れたようです,すれ違いポイントは,清本町の高架あたりになりました。しかし,43階からの写真は,ドローン的な独特の視点ではあるものの,迫力という点では,今ひとつです。カメラの望遠レンズの限界です。

 すれ違いを機関車の近くで見るためには,どうしても線路に近い場所を確保しなければなりません。私有地・JR東海用地には入れない。それではいつもの手が使えるか。いつもの手?
 コンビニや量販店のお客となり,商品を買ってついでに帰りの駐車場で写真を撮る。これなら許されるでしょう。チェックするとうまい具合に家電量販店の駐車場が4階まであったのです。
 但し,物事そう簡単にトントン拍子には進みません。その4階駐車場は安全を重視すれば,すぐ東側の岐阜駅と西側の香蘭のカーブの両方を見渡せる場所は,残念ながらありません。右に立つ撮影者にとっては.看板の蔭から機関車がいきなり視界に飛び込んでくるタイミングになります。タイミングを知らせる助手を置いて決行しました。

写真20-07 左,乙女坂行き③空列車,右、新日鐵行き③積列車  (撮影日 23/08/25)
 いかにも衝突しそうな赤210形式青510形式の機関車です。

 と,書いてしまえば数行です。実は写真20-07を撮影完了するまでには,いろいろありました。
  1. 待っていてもどちらかまたは両方の列車が来ない。
  2. 上り列車が遅れて撮影ポイントが西側に離れてしまうう。
  3. 助手にした妻(「来た~」「そっちへ行く」と叫ぶ役)の機嫌を損ねた。
  4. 家電量販店でそれほど必要性のない小物をたくさん買わなければならなかった。
 「それで何が面白いの」,このセリフは語り鉄にとっては,死刑宣告と同じです。(-_-;)

| このページの先頭へ |
| メニューへ | | 前へ | | 次へ | 2023年改訂済み