銃が発明された当初の弾丸の形は球形であり、長くその形が続きました。
しかし、19世紀前半になって、ようやく椎の実型の弾丸が考案されました。その利点と欠点は次のとおりです。
1
|
椎の実型(円錐弾)にすれば、弾丸重量が同じであっても、空気抵抗がより少なくなり、射程距離を長くでき、さらに、威力も増大できる。
|
2 |
そのかわり、円錐弾を使用するには、同時にライフルを施して、弾丸に回転を加えないと、高い命中率は得られない。 |
つまり、椎の実型弾丸は同じ重さの球形弾丸に比べ、射程も威力も優れていましたが、銃腔に溝を掘るライフル化が実用化しないと、命中率が期待できないという課題がありました。
先込め式の銃では、ライフルの場合、どうやって弾丸を装填したかを説明します。
まず、球形弾丸でライフルが刻んであった場合の装填は次のようにしました。
1
|
火薬を挿入する。
|
2 |
コインほどの木綿の小布(パッチ)を獣脂にひたす。 |
3 |
パッチを銃口に置き、その上に球形弾丸を載せる。 |
4 |
パッチと弾丸を一気に朔杖(カルカ)で銃底へ押す。 |
これによって、パッチと球形弾丸と筒とにうまく摩擦が生じ、球形弾丸が筒内でライフルに沿って回転していくという仕組みです。
|