日記ダイアリー2024-02

日記・随筆158 2024-02

何気ない日常、旅、そして映画。日々の思いを綴ってみました。

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158 2024年02月14日(火)DBSは成功したか    

 私の脳深部電気刺激(DBS)処置を可能にする手術は,成功したのでしょうか。
次の点から考えてみます。
 (1)費用
 (2)何ができるようになったか。どういう障害が克服できたのか。

(1)費用
 ここに領収書があります。退院時に名古屋医療センターに支払ったものです。  
 総額 380,987円(手術費300,791円 麻酔8,281円)
 医療費自己負担額       10,000円
 高額の手術料等であるが,パーキンソン病が難病指定を受けていること,その支払いを含めて私が高額医療負担者であることにより,私の現在の医療負担額は上限10,000円となっており,私の支払額はそれも含めて総額19,620円でした。9,620円は何かというと,入院中(12月11日〜12月25日)の37回分の食費です。(1食あたり500円余)
 高額の医療費を自己負担でなく「保険負担」としてもらっていることについては些か居心地がよくない気もします。従って,それだけの成果を出したいものです。 
写真01 上,コミュニケター(マウスのようですが別物) 


写真02 下,周辺装置収納バッグ

(2)何ができるようになったか。どういう障害が克服できたのか。
 これまで,次の機会を得てM医師より手術後について指導を受けました。

 @12月25日退院時指導(リード,パルス発生器の確認,周辺機器の説明)
 A1月17日 機器の調節,体調の確認,周辺機器の出力調整
 B2月7日  機器の調節,歩行状況の確認,周辺機器の出力方法の確認 

 周辺機器の説明を合わせて,現在の私の状況を説明します。
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 DBS処置に必要な装置は,体内装置として,@脳内深部のリード,A胸筋の上のパルス発生器があります。
 体外装置としては,Bパルス発生器に信号を送るコミュニケーター,Cコミュニケータに信号の強弱などを人間の意志を伝える,ハンドセットがあります。
 脳内のドーパミンの強弱を変更しようとすれば,まずハンドセットでその値を決め,無線でコミュニケターへ送信,そこから胸のパルス発生器へと無線で,そして延長線でリードへと伝えられるのです。


図01 ハンドセットからリードまでの電気信号の電波概念図

写真03 ハンドセット  
写真04 コミュニケーターとハンドセットの取扱説明書
写真05 ハンドセットのシリアル番号等 写真06 電池残量画面
 今の時点でのDBS手術の Before and after は次の表のようになっています。もし手術を受けた本人として,もう少し日常生活上の具体的な「進化」を項目として追加するとすれば,
  ※記号は,左:12月15日段階 右:2月7日段階
 16 タイピングが両手でできる    ×□
 17 夕食が自分一人で食べられる △□
     (朝・昼食は,パン・おにぎりなどの軽食)
 18 ペットボトルの蓋を悩むことなく開け閉めできる △□
 
 となります。動作・痛み・痺れ等がまったく無くなった訳ではありませんが,パーキンソン病的な症状のうちいくつかは見事に克服できています。この結果,

医 「Mさん,この段階で(2月7日)もし採点したとすると何点をつけることができますか?」 
M 「65点ぐらいでしょうか。」
医 「そうですね。1回目ではそう,うまくは行きません。
では,ハンドセットを使って今後の治療をどうするか教えます。」

写真07 ハンドセット出力増強画面

 【現在の私の困った症状と改善の見通し】
 DBS手術による改善の見通しを推定した。PD患者にはそれぞれ固有の悩み・症状があり,それが全て改善されるとは思えない。それでも私の場合なら,次のようなことができたり,悩まなければ良くなったりしたら幸いである。
  12月15日段階 □・・大幅に改善できる   △やや改善できる   ×改善できない
   2月 7日段階  □・・大幅に改善した     △やや改善した    ×改善していない                                              ■悪化した
 1□■安静時振戦(ふるえる)
 2□□動作緩慢・無動(動きがにぶく小さくなる,または動けない)
 3□□筋肉がこわばりかたくなる(筋強剛,固縮)
 4□□姿勢を保てず転びやすい(姿勢反射障害)
 5□□すくみ歩行
 6□△日内変動(1日のうちでon・offの変化が激しい)
 7×△喋りにくい(ろれつが回らない,吃音)
 8××臭覚障害(ほとんど臭いが感じられない)
 9△■下半身の痛み痺れ
10△□便秘(2〜3日に1度の排便)
11△□排尿障害(排尿感覚が異常に敏感となり,粗相する)
12△■腹部膨満感
13△□胃食道逆流症
14△□肩や背中のこわばり
15△△視覚障害(物が二重に見える・焦点を合わせるのが遅い・しづらい)


(3)今後の指導
私 「今度のDBS手術によって,PD本来の障害である姿勢維持・歩くということに関しては,大きく進歩していると思います。」
医 「そういう感じですね。」
私 「他の項目ももっと向上できますか?」
医 「もちろんです。よりよい状態を求めてプログラムを変えていくことがこのDBS治療の核心です。特にあなたのような全体が理解できる方には,頑張っていただきます。
この画面分かりますか?(写真07参照)
これがパルス発生器をコントロールする装置です。左・右は左手・右手を意味し,1.5の数値は電流の強さを示しています。単位はミリ・アンペアです。
先程までは1.0oアンペア,今数値を変えて1.5oアンペアとします。異常はないですか。」
私 「はい,異常ありません。」 
医  「では,しばらく1.5oアンペアでいきます。Mさんに2.0oアンペアまで引き上げる権限を与えますから,次回3月に来診するときまでには,自分の体調を考えながら,このアプリの数値を引き上げていってください。」
私 「最終目標数値は?」 
医 「2.5oアンペアです。」 

 新しい挑戦が始まりました。

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