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名鉄揖斐線・廃線物語 叙情的写真集11 
 最後の春 −急勾配 尻毛333−
尻毛橋梁西 旦ノ島−尻毛(撮影日 05/03/23)
 

 尻毛駅を出て新岐阜駅前方面へ向かう電車は、すぐに「難所」を越えなければなりません。
 尻毛橋梁(伊自良川橋梁)に至る坂です。
 この坂は、写真の標識にあるように、33.3パーミル、つまり、1000m進むと33.3m登ることになるという、名鉄全線でも屈指の急坂です。
 その昔、戦後の混乱期には、電車はすし酢めのお客で満員、一方で電車の性能は悪く、かてて加えて、電力の供給も不十分という三重苦の時代があって、最悪の時は坂を登り切れずに電車が停止してしまったそうです。乗客が降りて押したという「伝説」が残っています。

 この日の朝のモ780形三重連は、そんな昔のことは知らずに軽々と坂を登ります。
 それもそのはず、本来ならラッシュアワーに高校生を一杯乗せて走る三重連ですが、三月も半ば過ぎると主客の高校生は自宅学習期間となり、ほとんど登校していません。車内はがら空きです。


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