現物教材 日本史7

戦後 002 カルメ焼きセット                          |現物教材:目次:日本史 |

 はじめに断っておきますが、この現物を日本史の「戦後」に位置付けることには、特別の理由はありません。この教材を授業中に用いることは、「地歴科学習指導要領」の目標とは、何の関係もありません。
 
 単なる趣味、私の個人的執念です。

 ご覧のみなさんの中で、小さい頃露天か屋台でカルメ焼きを作ったという人は、

上が「カルメ焼き」セットの全貌。これで、3500円。
下が、サンプルについていた、完成品。これが目標です。

どのくらいいらっしゃるでしょうか。

 私の町では、リヤカーの屋台を引っ張って何週間かに1度の割合で、小学校や近所の公園に登場する「カルメ焼き」屋のおじさんがいて小遣いでよく作って食べたものです。

 そういえば、昭和30年代は、カルメ焼きに限らず、「ロバのパン」屋さんを始めとして、「ぽんハゼ」屋さん、「オリエンタルのカレー」屋さんとか、いろいろな「動くお店」があったものです。

 さて、「カルメ焼き」ですが、よく作ったわりには、あまりうまく作れなかった記憶ばかりです。私はとくに小さい頃はあまり知恵の回らない少年だったので、ほとんど失敗作ばかりで、周りの友達から馬鹿にされていた気がします。

 だから買いました。
 取ってくっつけたような授業構成を作るのなら、「カルメ焼き実演、高度経済成長初期の子どもたちの日常生活」となるでしょうか。(こんな授業、私以外誰もしないしない)

 以下のセットは、理科教材を扱う、中村理科工業株式会社のウエッブサイトから購入しました。カルメ焼きの道具3セット、重曹・砂糖がついて、3500円(送料は700円)です。
 ※中村理科工業のウエッブサイトはこちらです。
 ※東京都千代田区外神田5-3-10 
   電話03−3833−0741
 
11月30日、まずは家庭で、息子たちを前に、「父ちゃんの子ども時代」の解説入りの製作実演です。

 しかし、小さい頃知恵が回らずにできなかったと思っていたカルメ焼きは、やはり、大人のおじさんになってもうまくできません。説明書にある、「火は極力弱火」、「泡があまりたたなくなったら火から下ろす」、「重曹をほんの小豆粒ぐらい」とかいう記述は、幅がありすぎて、ほとんど説明になりません。

 結局、以下のような、続々の失敗作となってしまいました。

作成中、砂糖が煮えて、泡ぶくとなる第2段階

重曹を入れた最後の段階、これは重曹の入れすぎで失敗

記念すべき第1号、恐るべき失敗作、まるで地球外生命体

本日の失敗作群

本日の私の最高の作

本日の最優秀賞、3男D作(-_-;)


妻、「もったいない。食べ物ですよ。」
私、「小さい頃の記憶が曖昧で、なかなか思い出せない。ところできみは作ったことはないのか?」
妻、「私は、そんな屋台なんかで遊ばなかった。」
3男「父ちゃん、これをニュージーランドのホームステイ先で実演するまでになるには、血のにじむような努力がいるように思えるけど。」
私、「そうだ、思いこんだら試練の道を、の世界なのだ。頑張るぞ。」

あの〜、どなたか秘訣をお教え願いますか。


 <カルメ焼き 後日談> 現物教材リストへ
 この2週間、我が家は砂糖の臭いが充満し続けています。辛党の方なら堪えられないでしょう。
 三男Dのニュージーランド渡航(14日土曜日)が迫る中、究極のカルメ焼きの製作目指して、必死の修行が続きました。
 
 同時に、先達の知恵もお借りしました。いろいろな方に聞く一方、ウエッブサイトでの捜索も行いました。
 一番科学的に扱っているのが、住友化学工業の「ジュニアの化学・夢ワールド」の「家庭でできる化学の実験」の中にある、「甘くてうれしいカルメ焼き大実験」です。
 
 このサイトをはじめ、多くの方から、最後に加える重曹にあらかじめ鶏卵の白身を混ぜておいたもの、つまり「重曹卵」を使うとうまくふくらむ、というアドバイスを受けました。
 また、住友化学のサイトは、「温度計で温度を測りながら作る」というまくいくというアドバイスがありました。

 妻が、重曹卵と学校から借りてきた温度計を準備して、三男Dが挑戦しました。
 するとどうでしょう。
 住友化学のサイトの指示どおり、温度計が125度を示した段階で重曹卵を加えると、見事成功作品ができました。
   ※住友化学工業のサイトはこちら
 
 ちょっとパリパリ感が強いカルメ焼きという気がしますが、まあ、作品としては成功です。
これで、とりあえず、三男DはNZで日本の古典的砂糖菓子の実演ができそうです。

 しかし、私自身には、こだわりがありました。

 ひとつは、住友化学のサイトは、本当に「実験」モードのサイトで、科学的すぎます。「温度計で温度を測りながら作る」というのは、「職人」を目指す私としては、許容できません。「温度計なんかに頼らずにできんものか」 
 もうひとつ。
 「昔、屋台のおじさんのところで作った時は、玉子の白身なんかなしで、重曹だけでふくらましたはずだ。そんな混ぜものしないで、昔風のカルメ焼きができないものか。」

 あちこちに火傷を作りながら、挑戦することおよそ、20回。
 温度計ではなく、カルメ焼き鍋の中の煮られている砂糖の色の具合で、何とか、重曹を加える瞬間が判断できるようになりました。火の強さによっても微妙に異なり、これこそ職人の世界です。

 ところが、もう一つのこだわり、玉子の白身抜きは、うまくいきません。
 なんとかふくらむんですが、最後に陥没してしまうという失敗作の繰り返しです。

ちょっとつぶつぶですが成功

真ん中に穴がありますが成功

阿蘇山噴火口のようですが成功

 左は、ザラメの代わりにグラニュー糖を使用したので、白っぽくなっていますが、うまくふくらんで成功。
右は、玉子の白身を混ぜずに重曹だけの作品、陥没してしまって失敗。
何とか玉子抜きで成功させたい。

 

探求は、まだまだ終わりません。