現物教材 地理4

 日本002  さとうきび                              |現物教材:目次:地理へ

 サトウキビというのは、地歴公民科の学習では、地理のみならず、日本史・世界史でも、あちこちで登場します。
 その割には、あまりよく知らない作物です。
 まずは、砂糖に関する諸データです。

テンサイの生産量

2001年(万ton)

北海道帯広

185.7

北海道北見

164.7

北海道計
(生産は北海道のみ)

409.8


サトウキビの生産量

2001年(万ton)

沖縄県

86.0

鹿児島県

63.9

全国計(2県の合計)

149.9

砂糖の生産量輸入量

2001(万ton)

国内産糖生産量

84.0

うちサトウキビからの生産分

17.0

うちテンサイからの生産分

66.3

輸入糖量

140.5

<注意>国内で消費される砂糖は、これ以外に、たとえばココアの中に混入されて輸入されるものなどもあり、この数値の合計は、総消費量の全部ではない。


※『日本国勢図絵2003/04』などから作成

 
 砂糖の国内自給率は、他の食品と同じく、あまり高いものではなく、40%以下です。
 原料別に見ると、北海道産のテンサイが75%ほどで、サトウキビからの生産分は25%と少数です。
 しかし、歴史的には、テンサイ糖は19世紀になってから開発された新しいものですから、サトウキビほうが学習の対象となる機会が多くなります。
 下は、インターネットのホームページから手入れたサトウキビです。



 サトウキビは、奄美大島や沖縄を中心に栽培されています。
 上の商品は、いくつかのインターネット販売業者のうち、きめの細かいサービスをしている、「サトウキビ販売店」で購入しました。
 ※沖縄県那覇市首里金城町4-13 (098)884-0920 サイトはこちらです。
 
 上の商品は、「おすすめパック 節あり+節なし」というので、商品価格800円+消費税40円+送料500円=1340円です。重量は、約1キロです。
 クラスの生徒全員用に小さく切ったものとか、葉のついたものとか、いろいろ「教材」の視点で考えてくれるお店です。
  ただし
、沖縄でのサトウキビの収穫は11月から2月までの冬の時期です。したがって、注文受付(販売)もこの時期に限られます。

 今年の収穫時期に限っては、今がラストチャンスです。詳しくは、上記サイトをご覧ください。
 下の畑と葉付きサトウキビの写真は、代表者の儀保さんに送ってもらいました。ありがとうございました。


<04/07/12追記>
 冷蔵のサトウキビを年中扱っている店を見つけました。
 沖縄物産公社 okinawa Washita shop です。 
 サイトはこちらですが、サトウキビは、Webショップでは購入できません。
 電話注文ということになります。 名古屋営業所 名古屋市中区錦3-24-20 坂種ビル5F   052-973-0550
 30pくらいの3本で、525円だそうです。


 サトウキビ畑。中央のおじさんのと比べると、サトウキビの背丈は人の身長の2倍以上です。

お願いすると、こんな葉付きサトウキビが送ってもらえます。


 下の写真のように、茎の周りの厚い皮を包丁で剥いて中味を取り出すと、もう、そのまま茎を咬みながら甘い汁を吸うことができます。実においしい甘みです。


 包丁で外側の固い皮を剥きます。

 剥いた皮(右)と向けた茎(左)。この茎を咬みながら吸います。


 さとうきび番外編<さとうきびから黒砂糖自家製造記>                    目次へ

 購入したサトウキビを使って、黒砂糖を自家製造しました。
以下は、上記の沖縄産のサトウキビ約1000グラムから、黒砂糖(正確には黒砂糖もどき)を作った製造記です。

 サトウキビから黒砂糖を作る原理そのものは簡単です。
 サトウキビを絞って黒砂糖の原液を搾り出し、その原液を濃縮し、黒砂糖の結晶を得るという段取りです。
 ところがやってみると、これがなかなか大変です。


 まず問題は、何を使ってサトウキビを絞るかです。
 サトウキビ絞り器なんて道具がその辺で売られている分けはありません。専門的な道具があるという情報はありましたが、家庭科の先生等に聞いてみたら、入手は難しく、しかも高価だと分かりました。最近わが家の財務省のチェックが厳しくなっておるおり、できるだけ経費を節減しなければなりません。
 そこで、ホームセンターをいろいろ回って、搾ることができそうな道具を探しました。苦労して見つけたのが、左の道具です。
 実はこれは「大玉ニンニクしぼり器」です。しかし、価格は、480円とお値打ちです。値段が決めてで採用が決まりました。 
  しかし、難点が一つありました。サトウキビを入れる部分が小さいのです。もともとニンニクしぼりですから仕方ありません。

 そこで、サトウキビは、しぼり器にはいるように、小さく切断することになりました。
 右は、その原料サトウキビの生産場面です。
 上と同じように皮をむいて、半分に切って、されに3センチほどに切断です。


 左は、サトウキビをしぼり器に装填したところ、右は人力での圧搾の場面です。


 左は、サトウキビ約1000グラムから搾り取った原液です。搾り取ったあと、サトウキビのカスを取るために、キッチンペーパーを使って漉しました。ビーカーは200cc入りで、原液の量は、約130ccあります。(重量は約160グラム)
 これをビーカーごとストーブの上に置いて、ゆっくり加熱しました。右はその写真です。すでにかなり濃縮されています。


 左は、かなり濃縮が進んだ状態です。どろどろの状態です。
 さらにしばらく加熱すると、水分があらかた蒸発して、泡ぶくぶくの状態となりました。それが右の写真です。 


 

 結果的に得られた「黒砂糖」が右の写真です。 はっきり言って失敗でした。
 加熱しすぎたからでしょうか、砂糖の結晶にはなりませんでした。
 いちおう、なめてみると砂糖そのもので、重さは、約30グラムあります。
 とりあえず、1000グラムのサトウキビから、30グラムの黒砂糖、いや正確には、アメ状になった糖分を製造したことになります。
 どなたか、結晶の砂糖の作り方をご存じでしたら、お教え願います。
 但し、上述のように、サトウキビは冬場しか手に入りませんから、次の実験は、早くて今年の11月末です。
 期待にそえずにすみません。(__)