パン屋さん業界も負けてはいません。
　いや、受験生を栄養の面で応援するという面では、お菓子業界よりもこちらの方が役割は重要です。

　山崎製パンは、スイス・ロールのバニラとコーヒーを、「ウカロール」と命名して発売しています。
　また、２００６年１２月に新発売した、「受験生応援ハンバーガー」シリーズには、ハムカツ・エビカツ・トンカツ・メンチカツの４種類があります。「ハンバーガー食べて、勝つぞ！勝つぞ！勝つぞ！」です。　

　Ｐａｓｃｏの敷島製パンは、もっと大々的です。
　Ｐａｓｃｏ合格応援本舗と銘打って、いろいろな受験生応援パンを販売しています。
　「イチゴーかく！パン」「きっ十勝！バター蒸しケーキ」「勝つソーセージパン」「合格だっ茶」と、パン自体の具も語呂合わせもユニークです。

　フジパンの受験生応援パン「頭脳パン　小倉＆マーガリン」です。
　ビタミンB1を強化した金沢製粉製造の「頭脳粉」を原料に作られたパンです。
　これそのものは季節限定ではありませんが、この時期には、シールが貼ってあって、「がんばれ受験生!!合格」となっています。
　そもそもこの「頭脳粉」と「頭脳パン」というのは、いろいろ歴史があるパンです。
　そもそものはじまりは、「頭のよくなる本」というのを書いた推理作家で医学博士の林髞（はやしたかし）氏が、１９５０年代に「ビタミンB1が脳の働きをよくする」としたことに由来します。

　これに触発されて、ビタミンＢ１の多い小麦の外側部分を残した含む特殊なパン原料粉＝「頭脳粉」を製造した製粉業者１０社が、１９６０年には、「頭脳パン連盟」を結成しました。
　しかし、その後この頭脳粉の製造を続けたのは、石川県金沢市の金沢製粉だけとなりました。それを原料とした頭脳パンも、石川県周辺で細々と作られていただけでした。
　ところが、１９９０年代になって、埼玉県の伊藤製パンが製造をはじめて関東地方で発売し、ヒット作品となりました。
　それ以後、フジパンを始め他者が参入し、現在では、かなりの会社が製造しているとのことです。